
「春過ぎて夏に至るも輝かしき聖鍬(せいしょう)ふるひし北の球児(わかもの)(新作)」
~帯広農業高等学校、甲子園交流試合で甲子園初勝利~
コロナ禍なかりせば、初夏に帯広を訪ねることに決めていた。中城ふみ子の生まれ育った町であるから。
ふみ子は帯広高等女学校(現帯広三条高校)卒業だが、同じ市内にある21世紀枠で選抜に選ばれた帯広農業高校が、甲子園交流試合で強豪校に勝利した。
あいにく9回からしか見なかったのだが、ゲームセット後、校歌を歌う部員の表情が、頗るよかった。
今は夏だからそう言わないのかもしれぬが、スカッとした「十勝晴れ」のようだった。
校歌フェチ(?)気味の私には、帯広農業の校歌も実に心地よく耳に響いた。
一番の後半はこうだ。
♪地平はるけきあこがれや
いななく駒も野にやりて
聖鍬いざや打ちふらむ♪
その夜、中城ふみ子の歌集を久しぶりに開いた。彼ら球児のごとく屈託のない生のよろこびを歌い上げる歌はない。
だが、そんな中でも、
「陽の中の変哲もなき球根が花さくふしぎにこころ揺れをり」
の歌が心に残った。
来夏は、行ければいいなぁ、帯広。
不尽